私は起業する5年前までの約10年間、主に営業を続けていました。
私が営業を続けていたのは、本当は素晴らしいのに、まだその良さが知られていない商品なりサービスを「相手に主体性を持たせて、選択肢を与え納得して購入してもらう」という営業スタイルで行うことに、とてもやりがいを感じていたからです。
本当に何かを求めて困っている人は大勢います。その人の弱みにつけ込んだり、商品の良さを誇張したりするのではなく、その人が本当に望んでいるものを伝え、届けられることは嬉しいことです。
その経験から、素晴らしいのにまだその良さを知られていない商品・サービスを 「見抜き、拡げ、伸ばし、加速する」 ことが、私の起業後のコンセプトとなりました。
そして独立後、様々な企業のコンサルティングを行ってきたのですが、歯科医院のコンサルティングは、私に ある驚きとショック をもたらしました。
その一つが「自費診療」です。
ある時、私は医療の追求に真剣に取り組んでいる医院の院長やスタッフにこうたずねました。
「あなたの大事な奥歯が虫歯になり治療する場合、自費にしますか保険にしますか?」と。
ほとんどの人が「自費」を選択すると言います。一方でその医院の全患者さんに対する自費診療を受ける患者さんの売上割合(自費率)は10%以下です。
なんで歯科医師や衛生士は、自費がいいと思っているのに患者には勧めないのか?という思いと同時に自分は歯についてなんて無知だったんだという驚きです。
無知だけに止まらず、誤解もありました。
同時に私が一患者として、 こういうドクターに診て欲しいと思う人ほど地味な診療を追求し、患者さんにその思想がなかなか伝わってない ことを実感しました。
患者と歯科医師のギャップが埋まれば、患者は歯の健康に悩まされることが減るでしょう。
それは人が美味しく食事をする楽しみを満喫し、今、歯の悩みから自信を失っている人の自信を回復することです。
一方、歯科医院はお金と時間を得て、新たな技術・診断力向上により患者に還元することができます。この取り組みこそ、両者のハッピーに繋がると確信したのです。
医療追求に熱心な歯科医師が自信を大きくもって、患者に正しい歯の健康への道を示せるようサポートをしていく。それは一患者として、一コンサルタントとしての私の願いであり楽しみです。以上、私が歯科業界に関わりたい理由です。