こんにちは、ユメオカの丹羽浩之です。
ユメオカが「予防管理型医院を確立するコンサルティング」を軸にするようになってから(2014年で)、7年ほどが経過しました。当時はまだ治療中心型医院も多く、歯科医院経営の専らのスローガンは「自費率(インプラント)向上!」でした・・・。
その中で、私なりに走りながら考え続け、紆余曲折して「予防管理型」に行き着いたわけですが、「なぜ、予防管理型なのか?」を、これまでの経緯について、今日は"ありのまま"お話致します。
予防型医院を起点とした新業態に取組むクリニックさんの事例
(※)医院名は、敬称略で表記させていただいています
私は、約10年前の2004年9月に独立するまで、歩合制の問題解決型セールスを10年近く行っていました。そのため、一見、同じ製品でも他社より2〜3倍も高いものを販売することを得意としていました。
そのような営業は、目に見えない付加価値をお客様の問題点と結び付けてセールスしなければ、全く売れません。お客様自身も気づいていないニーズを引き出して整理し、提案するわけです。
独立を決めた時、私にとって歯科界は、文字通り"未知"の世界でした。
ただ「キャッシュフロー経営って?」でお馴染みのコンサルタント、和仁達也(私にとってはその頃既に10年来の友人)に相談したことが、"未知の歯科界"から"歯科界への道"が開けた瞬間です。
早速、その道を歩み始めた私は、某医院のスタッフに
と尋ねてみると、1人を除く全員が「自費にする」と言われましたが、その医院の自費率は10%程度でした。私には、
「なぜ、知識の深い専門家と素人の患者さんでは選択にこんなに差がでるのか?」
とコンサルタントとしてではなく一患者として、素朴な疑問でした。
いろいろ調べていくうちに、私が体得してきた「相手の気づいていないニーズを引き出し、提案する」というアプローチが、この差を埋められることに気がつきました。
自費診療の推進で報酬も利益も2倍ずつ、しかし・・
そして、この方法を歯科医院向けに体系化し、自費提案に落とし込んでいったのです。
すると、想定以上に上手くいき、早い段階で結果も出ました。自費率もどんどん高まり、医院全体の収支構造も変わり、「院長報酬も医院利益も2倍ずつ」という医院もありました。
「これは、かなりいける!」
と私自身、コンサルタントとして大きな可能性を感じました。
しかし、しかし…、
実際に自費率が大きく伸びた医院の院長達は、それほど嬉しそうではありませんでした…(えっ〜、なぜ〜??)。中には、以前より浮かない顔をされている院長もいらしたのです。
私は、せっかくここまでやってきたのに・・・と落胆しながらもその要因を確認していくとどうやら、
「もちろん収支が大きく変わったことは嬉しい。
しかし、この経営を続けていくには、
口腔内がボロボロの人を集め続けなければ、成りたたない。
それ以上にそういった患者さんを診る度に『なぜこんなに
口の中がボロボロになってしまったのか』もっと早く、来て
くれたらこんなにならずに済んだのに・・・」
といった医療人としての想いがこみ上げ、院長方が"自費よし!"の路線で走るためのアクセルを踏み切れないことに、私は気が付きました。そこで、コンサルタントとして方向性を軌道修正したのです。
その経験が、私に予防管理型医院づくりを取り組む意義をもたらしました。「これしかないな、予防管理型」ストンと腹に落ちた感じです。そこで「予防管理型」への変貌に対して、院長方のご意見を伺ってみることにしました、すると、当時は、
「確かに理想だけど、やっぱり今まで養ってきた治療技術を活かせなくなるしね」
「単価もぐっと下がって、経営自体が成りたたなくて続かないって聞いたよ」
「どうやって予防管理型にするのか? 経験談やセミナー聞いたことあるけど、
ピンとこなかった」
といった「予防管理型」に対して半信半疑の声が大勢だったのです。私の心に、火がつきました。
「予防管理型 = 三方よし」に気が付く
それを体系化していくには、大きな大きな壁はあるけど、歯科コンサルタントとして、チャレンジしがいのあるテーマだと思えたのです。なぜなら、
「患者さんにとっても、医院やスタッフにとっても、業界にとっても」
三方よしのスタイルなら、院長が迷いなく突き進めると確信したためです。
コンサルタントが一人で熱くなっても、まったく無意味。医院の代表である院長が熱くなれる、情熱を持てる、そんなテーマが必要なんだ。自費率向上した医院の院長方の違和感を"生で感じた"ことが、そう決意できたのだと思います。
それ以降、コンサルティング現場の経験を通じて生みだしたのが
などなど、です。
これらはどれも「患者視点」で生まれたノウハウです。もちろん「私が一患者なら...」という立場がつくったノウハウだったからというのもあります。
しかしそれ以上に、「患者視点」で考え始めることが先に述べた"三方よし"スタイルになるからです。「患者視点」とは、別に"患者の味方"を意味することではありません。医院の強みも、課題も客観的に見る唯一の方法だからです。
そして現在(2014年)、予防管理型が歯科界のスタンダードになりつつあります。そこではユメオカでは「予防管理型を起点とした新業態で歯科界を活性化」というミッションを掲げています。